ぬくもり

ぬくもり

ぬくもり(7)

「――なあ。またたまにやって、これ」 高志の呼吸が落ち着くのを待っていたように、しばらく間を置いてから茂が口を開いた。「これ?」「うん」 茂の言葉を理解して、高志は回したままの両腕に再び力を込める。それに頷きながら、茂の手も再びその腕を抱え...
ぬくもり

ぬくもり(6)

「――細いな」「ん?」「お前の腰」 腹部に回した腕は、軽々とその体をその輪の中に収めていた。「ふ。何、今更」「薄い腹だなってずっと思ってた」「へえ、そうなんだ」「お前と初めて会った時にも思った」「へえ」「お前の第一印象、それ」「……」 茂は...
ぬくもり

ぬくもり(5)

そうやって高志の腕を大切そうに抱え込む茂が、高志を受け入れた部分で今どのように何を感じているのか、想像することは難しかった。言われるがまま、抽挿を再開する。すぐに抗いがたい快感が生まれ、そのまま欲に任せて体を動かし続ける。 茂が何かを求めて...
ぬくもり

ぬくもり(4)

夢中になって腰を動かしていると、茂が高志の名を呼ぶ小さな声が聞こえてくる。「……藤代」「ん?」「……脱ぎたい」「え?」 いったん動きを緩めて、よく聞こえるように顔を近付ける。「これ、脱ぎたい」 茂が、自分の着ているTシャツを示してそう言う。...
ぬくもり

ぬくもり(3)

高志が準備をする間、茂は顔を上げなかった。 と言っても、茂は普段から準備の段階ではされるままになることが多かったため、いつものとおり高志に任せているのか、それとも気が乗らないのかが高志には分からなかった。いったん片付けたゴムとジェルをもう一...
ぬくもり

ぬくもり(2)

「――どうした?」「何が」 問うてくる茂が何か言おうとするのに構わず、もう一度キスする。茂の腹に手を回して、Tシャツの中に入れた。何度もその肌を撫でた後、今度は下着の中に潜らせる。「――ん、藤代」 茂が唇を離して呼び掛けてくるが、離された唇...
ぬくもり

ぬくもり(1)

数週間ぶりに肌を合わせた後、シャワーを終えて高志が部屋に戻ると、先に浴び終えていた茂がベッドの上で布団にくるまっていた。 何故か高志の枕に頭を載せ、いつも高志の寝る壁側に寝ている。首だけを動かして、高志を見上げてくる。「お前、今日はそっちで...
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